iPhoneが水没したとき、発生する症状のひとつに「画面に線が入る」というものがあります。この症状は、トイレやお風呂など分かりやすい水没の場合だけでなく、「雨に濡れた」「こぼれたコップの水がかかった」などという日常生活で起こりがちな水濡れでも発生する可能性のある症状です。
このように、水没などが原因で画面に線が入った場合、「放置していれば復活するのか」「悪化してしまうのか」が気になるのではないでしょうか。線が入っているだけで普通に使えていると、そのままにしていても問題ないと判断する人もいます。実際のところ、水没して画面に線が入った場合、復活できるのでしょうか?
iPhone(アイフォン)が水没したら次の症状に注意
iPhoneが水没したら、以下の症状に注意してください。これらの症状は、完全に水の中にポチャンと落としてしまったときだけでなく、雨などで濡れた場合にも起こる可能性があります。
・線が入っている
・画面が暗くなった
・電源がつかない/反応しない
これらの症状が発生したということは、iPhoneの内部に水分が侵入して、中の部品が影響を受けているという証拠です。中に水分が入っている状態でiPhoneを使い続けていくと、内部で基盤がショートしたり、さびついてしまったりするかもしれません。そして、最終的には「完全にiPhoneが起動しなくなる」という状態まで進んでしまう可能性も。
iPhoneの画面に線が入っていても、「支障なく使えているから問題ない」と考えるのは早計です。そのまま使い続けていると、その使用が問題となる場合もあります。上記の症状が出たら、iPhone使用をやめて電源を切り、充電もやめてすぐに専門の修理店に持っていきましょう。
線が入る原因は液晶内洪水!交換しよう
画面内に線が入る原因は、液晶パネルのガラス内に水が入り込んでしまった「液晶内洪水」という状態です。ひどい場合は、液晶全体に水が回って、タッチしてもほとんど反応せず、使い物になりません。線が入るだけの場合は、それよりは軽めの症状です。
これらの症状は、液晶内だけにとどまっている状態なので、液晶パネル(タッチパネル)の交換で解決します。修理の料金は、AppleCare+(アップルケアプラス)の保証内ならどの機種でも一律3,400円です。もし画面以外にも故障があり、新品と交換という場合でも、11,800円で交換できます。AppleCare+に入っていない場合は、機種によって修理代金は異なります。例えば、iPhone 7の場合、画面交換だけなら16,800 円必要です。
街中の修理店の場合は、正規の修理代金よりも安くなり、6,000~8,000円が相場になります。修理店では、画面交換だけでなくデータの復旧などのメニューもあります。データも復旧を望む場合は、修理店に相談してみましょう。
画面が暗くなる原因はバックライトの故障
画面が暗くなってしまう原因は、バックライトの故障です。バックライトは2ヶ所あり、液晶にあるバックライトの故障なら、先ほど説明した液晶内洪水と同じように、液晶画面の交換で修理可能です。しかし、もう1ヶ所、ロジックボードにあるバックライトの故障までいくと、液晶部分だけでなく、内部の基盤にも水分が入り込んでしまったということ。症状としてかなり深刻といえます。
ロジックボード内のバックライトの修理交換費用は、AppleCare+では新品交換扱いとなり、11,800円です。AppleCare+の保証対象外の場合は36,400円。街中の修理店の場合は、店舗にもよりますが、ロジックボード内のバックライト交換で約15,000円です。ただ、バックライトだけの交換で済むかどうかは分からないため、実際に中を開けて他にも交換パーツがあるなら、費用も高くなるかもしれません。
対処しても電源がつかない/反応しない場合は修理へ
水没や水濡れをして当日は大丈夫でも、だんだん調子が悪くなり、動かなくなることもあります。何をやっても電源がつかなかったり、反応しなかったりする場合は、早めに修理へ出しましょう。水分がiPhoneの中に入り込むと、翌日には何カ所かさびついてしまうこともあります。また、通電すると、中で濡れていた基盤がショートしてしまい、深刻なダメージを受ける場合も。
水没なら、一刻も早く専門の修理店で水没対応をしてもらうことで、状態の悪化をいち早く抑えて被害を最小限に食い止めることも可能です。水が関係する故障は、「できるかぎり早い行動がiPhoneを救う」ということを覚えておいてください。水没や水濡れをしてすぐに修理店に持ち込めない場合は、すぐに電源を切りケーブルも抜いて通電による故障を避けましょう。そして、水分をしっかり拭き取った後はできるかぎり、中の水分を早く減らすように乾燥剤を入れたジップロックに入れておくようにします。
iPhoneが水没して画面に線が入った場合に考えられる原因と対処法、そして修理する場合にかかる費用について解説しました。基本的には、何らかの症状が出るということは、iPhoneの内部に水分が入り込んでいるという良くない状態です。普段からこまめにデータをバックアップしていて、AppleCare+の保証期間内であれば、AppleCare+で修理を依頼するのが一番経済的です。
逆に、データのバックアップがなくてデータのサルベージを望んでいる場合や、Appleの保証対象外の場合は、街中の修理専門店へ早く持っていって修理するようにしましょう。水が関係する故障は、できるかぎり早めに対処することをおすすめします。