水没などで突然iPhoneが起動できない、電源が入らない、という状態になると、とても困ってしまいますよね。そんなとき、真っ先に気になってしまうことは、iPhone内に入っている思い出の写真や、ゲームのデータなどではないでしょうか。取り返しがつかないため、動揺してしまうのも無理はありません。しかし、まだデータの取り出しが可能な場合があるので、諦めずに確認しましょう。
今回は、電源が入らないiPhoneからデータを復旧する方法を原因別に解説します。電源が入らない状態といっても、細かく分けるといくつかの状態に別れ、それぞれに対応方法がありますので、順番に試してみてください。データ消失かと悲しむ前に、冷静になってひとつひとつ試してみましょう。
電源が入らないiPhoneのバックアップデータ取り出し方法
iPhoneの電源が入らない状況は細かく確認すると以下の3パターンに分かれます。
・画面が映らないだけでタッチ操作ができる場合
・画面がつかないでタッチ操作もできない場合
・充電されない場合
画面が映らないだけでタッチ操作ができる場合は、この中ではまだ比較的症状が軽い方です。本体は正常に動いているため、データのバックアップができる可能性が高くなります。画面がつかずタッチ操作もできない場合は、落とした衝撃などでiPhoneの右上部に内蔵されているコネクタ類が接触不良になったから発生しているのかもしれません。 その場合は、ちょっとした対策でもしかしたら復元する可能性があります。充電できない場合は、かなり深刻ですが、いくつか充電方法を試すことは可能です。
症状が違えば、データの取り出し方法もそれぞれに変わってきます。以降では、この3パターンについて、どうやってデータを取り出すかの方法を解説しますので、順番に試してみてください。
画面が映らないだけでタッチ操作ができる場合
画面が映らないだけでタッチ操作ができる場合は、原因として画面パネルの故障が考えられます。この場合、パソコンとiPhoneをUSB接続でつなぎ、iTunesからのデータバックアップが可能です。以下にその手順を紹介します。
・マナーモードのオンオフ切り替えボタンを何度か切り替えたり、他の電話から電話したりして、振動でiPhoneの起動を確認
・パスコードロックを解除(見えないので、ボタンの位置は予測するしかない)
・無事タッチが効いていることを確認したら、iPhoneとiTunesをライトニングケーブルでつなぐ
・すると、暗いままのiPhone画面に「このPCを信頼しますか?」というダイアログが出ているはずなので、左下側にある「信頼する」ボタンを押す
・成功するとiTunesからデータのバックアップが取得可能
最初の方でブラインドタッチが多いため、どうしてもバックアップできない場合は、次の対策を試してみてください。
画面がつかないでタッチ操作もできない場合
画面が消えたままでタッチ操作も不能な場合、原因としては、液晶パネル(タッチパネル)あるいは基盤に問題が発生していることが考えられます。その原因の一つに、画面と本体をつなぐコネクタの接触不良があります。この場合は試せることがあるのでやってみましょう。
非常に単純な方法ですが、コネクタのある部分を表面から圧迫することで、「緩みかけたコネクタを押し込んでみよう」という方法です。このコネクタを本体の表面から直接押し込んでみることで、接触が良くなる場合があります。押してみる場所は、iPhone7の場合は中央右寄りの場所、以前の機種では、上部右側です。インターネットなどで、自分で修理する方法の実践画像が掲載されていますが、その画像でコネクタのある場所を確認するとイメージしやすいでしょう。
これで画面がついたりタッチが復活したりしてくれれば、iTunesによるデータのバックアップが可能となります。
充電できない場合
そもそも充電ができないと、データのバックアップは不可能ですが、何度ライトニングケーブルをつないでも充電される様子がないときは、以下をひと通り試してみてください。
・拡張コンセントなどを使っている場合は、壁のコンセントから直接充電する
・ライトニングケーブルを新しいものと交換してみる
・ライトニング端子を指す穴にゴミが溜まっている場合は除去する
拡張コンセントやバッテリーからの充電の場合、電圧が弱いためになかなか充電されないのかもしれません。壁からの直接充電が効かない場合は、ライトニングケーブルやコネクタの穴などに問題がないか確認し、できることをやってみましょう。もし、運よく充電ができた場合は、100%になるまでしっかり充電してから、パソコンでデータのバックアップを取得してください。
ここまでいろいろ試してみても充電できない場合は、素直に諦めて専門業者に持っていって相談しましょう。専用のソフトを持っている業者ならすぐ対応してもらえます。
iPhoneの電源が入らない場合、その現象を3パターンに分類して、自分でできるデータの救出方法を紹介しました。それぞれ、簡単にできる方法ではありませんが、成功すれば修理に出す前にデータを取り出せます。これらの対策をすべて試してみてもうまくいかず、修理の必要性を感じたら、専門店へ持ち込みましょう。
ちなみに、データの取り出しがうまくいかない状態でAppleの正規サービスを受けても、データの取り出しサービスはなく、新品のiPhoneと交換となってしまいます。データの取り出しを望む場合は、街の修理店に持っていくしかありません。ただ、街の修理店で修理をしてもらうと、以降はAppleCare+の対象外となる点には注意しましょう。